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2011年1月15日土曜日
まるで現実世界から切り離されたようなマラパスクア島
夜7時。暗い中セブ市内にあるバスターミナルでマヤ行きのバスを待つ。ちょうどクリスマス前の金曜日とあって、ターミナルは地方へ帰る大きい荷物を持った人々でごった返していた。一人でスーツケース並みの大きさの荷物を持ち、今か今かとバスを待っていた。
バスがターミナルに入ってきた瞬間、ちょうどマヤ行きのバスが最終だったせいか、空席を取ろうとバスが到着する前に人々は自分の荷物を抱えてバスに向かって走り出し、男達は乗客が降りる前に持っていた荷物を外窓から車内へ投げ入れたかと思えば、そのまま数人がバスのタイヤに足をかけるとサルのようにスルスルとよじ登り、窓の隙間から体を車内に潜り込ませる。女も負けじと降車ドアから体を滑り込ませる。ドアは一人が通るのがやっとにもかかわらず、降りる乗客と乗り込む乗客がまさに古びたギアが噛み合うようにギチギチと体を寄せ合いながら乗降しているではないか。降りる乗客優先で、列を作れば2分で乗り降りできるはずが、誰もが他人のことなんか考えていないため混乱していた。カオスな光景にあっけにとられているとみるみる座席は埋まっていく。そんな中、自分も見習って他の乗客を押しのけて、体をねじ込むようにしてやっとのことで車内へ入ると、あっさりと空席があるではないか。ほっとして座ろうとすると、浅黒い一人の男が通せんぼするかのごとく、冷酷にここは予約席だと言い放った。どうもその男は見るからに乗客ではないらしい。そしてその男は後からゆっくり乗ってくる割と身なりのいい乗客を手招きしているではないか。どうやらこの男は空席を確保し、その代わりにチップをもらうことを生業としているらしい。「ちょっとお前、何を馬鹿げたことをいっているんだ!これは公共バスだぞ!座席の予約なんかあるか!」と少し声を荒げて言い放ち、その座席に強引に座ると、その男も何やら悪態をつきながらしぶしぶとバスから降りていった。そんなやり取りがあり、その後もバスは乗客をパンパンに詰め、7時半過ぎにバスはマヤへ向けて出発した。
金曜日のこの時間は道路は異常に渋滞する。地元へ帰る車でメトロセブ市内は埋め尽くされるためだ。しかしいったんメトロセブを抜けると、コンソラション、ダナオ市内を通り抜け、後は一本道で、渋滞から抜け出した。
2時間も走ると、あたり一面はすっかり真っ暗になってくる。街頭のない道なき道をヘッドライトだけを頼りにひたすら走り、山のような場所を抜けていったり、草むらのような泥道を猛スピードで走っていく。対向車も街の光すらもない。そういえば、今夜泊まる宿を見つけていなかった。今夜の目的地のマヤはセブ島最北端にある小さな街で、ここからマラパスクアという小さな島へのボートが出ているのだ。そこから早朝出発し、マラパスクアへ行こうと考えていた。マラパスクアへは観光客が訪れるとすれば必然的に、マヤに泊まる宿くらいあるだろう。宿は簡単に見つかる。そんな簡単に考えていた。いっぱい乗っていたはずの乗客も、気づけば数人しかいなく、ポツリポツリと降りていく。暗闇の中で荷物を降ろし、自分の家のほうへと帰っていくのだ。観光客らしい白人でもいれば、心強いのだが、セブ市内から地方へ帰る出稼ぎの人しか見当たらない。よくよく考えてみれば、昼間だと簡単に見つかる宿も、夜だとそう簡単にはいかない。もし宿がなかったら…。最悪、その時は岬で海を見ながら野宿するか…そうならないよう願っていた。
そして約1時間後、明かりが見え始めたと思えば、ついに人が見えた。そしてベーカリーや屋台などの小さなマーケットが見えた。どうやらボゴーという街へさしかかったようだ。そこには数台の125ccバイクとドライバーがスタンバイしている。これはハバルハバルという一種のトランスポーテーションシステムである。はっきりしたのはここが街であるということ、そして寝床も当然あるはずだということ。ひとまず安心はしたのだが、ここで降りれば確実に今夜野宿する必要はなさそうだ。しかし、もともとマヤがファイナル・ディスティネーションだったはずだ。ここまできたらマヤまで行ってしまおう。もし宿がなかったらボゴーに戻ってくればいい話だ。そしてボゴーを抜けるとまたも暗闇の中へ。今度は林のような道なき道を進んでいく。乗客はもういなくなった。マヤで宿は見つかるのだろうか・・・。
ボゴーのマーケット
時代錯誤してしまいそうだ
マヤの安宿で朝を迎える。
昨夜は夜11時過ぎにマヤに着いた。もっと街らしいと思っていたが、ここまで着たら降りるしかない。バスを降りるとちょうど人がいたので、「この辺に宿はないか」と聞いたら、「宿はあるが、しかしもう閉まっている」といった。宿はこんな時間に閉まるものなのか…。マヤは思ったよりもツーリストに向けていない、ただのローカルな街だった。しかたない、あきらめてボゴーに戻るか。しかし乗っていたバスはターミナルへ消えていった。その状況を察してくれたその男が、俺に任せろ、とばかりに閉まっている宿へ案内してくれた。するとおもむろにその男、宿の外から大声で名前を叫ぶ。何度か呼んだ後、中で寝ていた女主人が出てきて、部屋へ案内してくれた。一階は自宅、二階が客室となっているようだ。テラスがついている階段を上がっていくとすぐに部屋がある。約二畳半のベッドとキャビネットしかない狭い部屋だったが、どうやら今夜野宿の心配はなくなったようで安心した。
ここがマヤ⇔マラパスクアを結ぶ港
小さいボートからやや大きめのボートに海上で乗り換えるという
乗客にローカル・ピーポーしかいなかった。
セブ島を離れる
無人島のようだ。
マヤからマラパスクアへ向かう船は、人間を近づけないように海の魔物が住んでいるかのように荒れる。さらに強風が吹けば船が上下に45度傾く。いや傾くというレベルではなく海がうねり、船が踊るといった方がいい。科学的にはこのエリアでは海流がちょうどぶつかる部分だとかなんとか…。風が強くいつ転覆してもおかしくない状況であった。以前にはボートが転覆したのを見たし、この日も一人の船員が風でバランスを崩し、海へまっさかさまへと落ちた。しかしさすがの海人、服を海中で脱いだ上に笑って戻ってきた。マラパススクアのような自然とともに生きている人が、かつてアニミズム信仰していてもおかしくはないと感じた。それは人間にはとても太刀打ちできない、人間の力を超越したもの、海の津波のような、自然の恐怖であって、それは彼らにとっては崇拝する対象である。海へ出るときは、荒れないよう祈ったであろう。この自然の海の荒れる様をみれば、まるで神が海に宿っているといっても信じてしまうほどだ。アニミズムはこういった事象を擬人化したものなのではないかと身をもって感じる。
ダイビングも気をつけなくてはいけないようだ。あるダイビングを楽しんでいる中国人が現地の人の注意を無視した結果、強い海流に飲み込まれ、数十メートル沖で遺体で発見されたそうだ。危険に関しては、現地の人は十分にわかっているわけで・・・。
海の色はやはり青だということがわかる。約一時間でマラパスクアへ到着。
船がこれ以上陸に近づけないので、お迎えに来た小さなボートに乗り換える。
MALAPASCUAという名前の由来は、BAD CHRISTMASというかつての歴史からくる。
島についてすぐにスノークリングにつれてってもらう。父親を手伝うこの子が今回のクルー。3箇所のスノークリングスポットを回り、最後には世界大戦時の日本のバトルシップが沈んでいる定番エリアへ連れて行ってもらいます。このエリアはあまり綺麗ではありません。
2日目。マラパスクアからアイランドホッピングへ。ボートで約30分ほどの場所でスノークリングを楽しむ。
バケーションのスペイン人と一緒に
運がいいとイルカに会えます
島が見えてきた
カランガマン島のホワイトサンド。ダイビングスポットのひとつでもあります。
カレントが強いので泳ぐには向いていないエリアもある
夕日がエモくてなごむんだよなあ
家族で海栗を取っているようです
アンへリーナがセブから店舗が撤退した時は泣いた…。そのアンへリーナをなんとマラパスクアで発見!どうやらオーナーさんがこちらへ移動した模様。奇跡の再会したときは、泣いた。
この手打ちパスタのアラビアータを食べたことが、料理をはじめるきっかけとなった。
こっちはリゾット
このテーブルクロスっ.............!まさにアンへリーナっ..............!
一時期話題になった「電車男」が「TRAIN MAN」として翻訳されて売っていたので買いました。
より大きな地図で マラパスクアのマップ を表示
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