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2010年1月18日月曜日

Planet of Slums / Mike Davis

アーバンスタディという4年のクラスをとっている。
トピックはマイク・デイヴィスのプラネット・オブ・スラムス。

フィリピンは、よく日本でも知られているように、貧困が問題になっている。
去年、スラムドック・ミリオネアという映画がはやったいたころ、
あれを見終わったあと、そんなに騒ぐほど、面白い映画でもないだろうとおもった。
というのは、フィリピンでの俺の近所はあんな感じで、自分の近所の映画なんか
みたって感動すらしない。あれは、平和の国の元に育って、貧困にあえぐ国を
教科書かドキュメント映画で見て、同情して喜んでる人たちなら楽しめるんだろう。
ファーストワールドカントリーで流行るという皮肉さ。

スラムドックはフィリピンでも人気があった。

子供たちはタフだ。生きるために。要するに弱肉強食、弱いやつは居場所なんてない。
権利なんか与えられるんじゃなくて、勝ち取るもの。
スラム、こっちではスクワターエリアが一般的で、無断で空き地に家族がすんじゃってる。

しかしフィリピンの一部の人らはとてつもなく金持ち、ということはあまり知られて
いないだろう。セブで言えば、市長、政治家、学校運営している人らが住むマリアルイーサ内の
ヴィレッジ、タオイテンプル周辺のリトル”ビバリーヒルズ”。

ヴィレッジ内のアメニティ共有費だけで20万。
もはやフィリピンというよりも、リトルアメリカ。キャデラック、メルセデスが
ヴィレッジ内を走る。
モダンなデザインのプール付の家。市内でジョギングなんかしたら
排気ガスで体中が真っ黒になるというにもかかわらず、ここにはジョギング用の
道が整備されているし、高台のため空気も綺麗だ。
高台にあるにもかかわらず、水を各家家に何百メーターもくみ上げてる。
セブ市内を一望、見下ろす事ができる。
要するに、金を払える人がいて、そういう人がそういうことを望む、
需要があるからこういうことになるんだろうが。

反対にスクワターなんかは、共同の井戸から水を汲みあげるか、
ないところは雨水をためて生活用水にしてる。
干物をおかずにして米だけはいっぱい食う。ひどいとこなんか
マーケットから腐った野菜すら拾ってきて食べる。それも生きるため。
ピラミッドで、人々のハイエラルキーをあらわすと
7、8割が貧困層に属するというすごい国。
ほぼみんな貧乏。しかし一握りの人らは、飛びぬけた金持ち。
どこか国のシステムがおかしい。資本主義というシステムはまさに
この1割の金持ちのために徹底的に守られてるような気さえする。

だからOFWといって海外出稼ぎにでるというのもなんら疑問もない。
一時間働いて日本円で最低賃金数十円~数百円程度。
日本をはじめ欧米、ドバイ、ほかのアジア行きゃ貧困から抜けられるから。
だから悪質な人身ブローカーすら
登場してくる。ドラッグ、土地やら女やら、
どこか金の匂いがするところには、悪人が集まってくる。
それは世界中の共通事項。騙し、騙され、最悪殺される。
命の値段は場所によって変わる。ここは安い。
工場でいいから働きたい、メイドでもダンサーでもエンターテナーでも
売春したって。ほかの国にさえいけりゃ。

国民は忍耐強いとおもう。
楽観的か、ある種の諦め、ともいうかもしれないが。


・・・と、かなり光と影のコントラストがはっきりしていて
ネガティブな話だけども、だからといって国民みんな
幸せじゃないか、ということになると別。幸せは金の量じゃない。
子供たちはのびのび育ってる。
学校は活気に溢れ、笑いに包まれてる。困っている人がいれば
当たり前のように人は手を貸す。障害者であろうが老人であろうが、外人であろうが。
道であう知らない人同士でも打ち解けて話す。

フィリピン人であることにみな誇りをもってる。
それがフィリピンの特にセブに住むビサヤの国民性ではないだろうか。

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