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2011年2月23日水曜日
フィリピンでFACEBOOKが流行る理由
統計によるとフィリピンのFACEBOOKアクティブユーザー数は約2175万人で、世界で5番目だそうです。(SOCIAL BAKERS :2010)
FACEBOOKが流行る前、フィリピンではフレンドスターというのSNSが若者を中心に爆発的に流行っていました。2004年にはマレーシアでも流行っていたのを覚えています。しかしそれも2008から2009年にかけて失速し、多くのアクティブユーザーはFACEBOOKへ流れていきます。新しく参入したFACEBOOKの勢いは収まらず2008年〜2010年の2年間で8877.1% (Facebook :2010)の増加を見せます。流行りに乗ったのは若者だけでなく、40〜50歳代までも参加するようになりました。
インターネットの家庭普及率はそんなに高くないはずのフィリピンでどうしてここまで、アクティブユーザーが多いか不思議かと思われますが、今やインターネットカフェの数は爆発的に増えています。ここセブでは家庭にパソコンがなくても小学生〜大学生まで、インターネットカフェでオンラインゲームをしたりSNSサービスを利用しています。また携帯からや職場や学校からのアクセス数が高いようです。オンライン率稼働73%というのが衝撃的な数値です。仕事、仕事をしろ。
フィリピンでSNSが流行っている理由の一つは、フィリピン人は写真が大好きな国民性だということだと考えられます。そして家族や親戚、恋人、友人を大切にする国民性。FACEBOOKを利用することでたとえ距離が遠く離れていても、手軽に最近なにしているのかという情報共有することができ、かつ楽しむためのサービスが充実しています。さらに写真現像のコストが高いのでオンラインサービスを利用するという経済的理由も一つだと考えられます。そして、携帯の通話よりも、SMSテキストメッセージのほうが使用頻度が高い割合をしめるとされるフィリピンです。常にコミュニケーションを取るのが好きです。SMSでは双方向コミュニケーションどまりですが、FACEBOOKは視覚的かつマルチコミュニケーションでより多くの情報交換が可能です。そしてファームタウンやファームビルなどといった無料育成アプリのヒットも流行した原因の一つだと考えられます。
またフレンドスターからフェイスブックへフィリピンのユーザーが移行した理由は、単純に新しいものに飛びついただけ、が原因ではなくサービスやユーザビリティを考えて進化していったFACEBOOKが熾烈なSNS競争に勝ち残っているからだと考えられます。ユーザーが欲しいものを与えた結果だと考えられます。FACEBOOKの特化したサービス、例えば、ニュースフィードを導入したこと。TWITTERではおなじみのタイムラインですが、FACEBOOKでは2006年に機能として導入されました。これがフレンドスターやマイスペースにはなかった、リアルタイム感を出しました。最初は鬱陶しいサービスかと思われた機能が、友人の更新状況がすぐに一目でわかるようになります。そして今なにしてる?というつぶやきサービス(写真/動画/リンクのアップロード)も実装されていました。他人のつぶやきがリアルタイムで更新されているのを見るだけでも面白いです。さらには写真の一括アップロードを可能にし、無制限容量、オンラインでの画像編集が可能にしたことが、フレンドスターと差をつけることができた一つの原因だと考えられます。もっとも特筆すべきがタグという機能です。写真に友人写っている場合、タグをつけることができるようになりました。タグを付けられた本人にはお知らせが届きます。タグをつけることで更新がいち早くわかるので便利です。
フレンドスターやマイスペースでは、HTMLやCSSのカスタマイズがユーザーを魅了しました。他人との差別化によって個人を表現することができました。しかしFACEBOOKはプレーンテキストで統一フォーマットにしました。
FACEBOOKの特徴である実名登録ですが、2004年に日本で始まったミクシィはすでに実名機能を導入し、人探しに便利に使われています。フィリピンは実名登録は、個人のアイデンテティをしっかり持つ国民性であることのうえ、連絡の途切れた人を探すのに便利だと考えられているようにみえ、受け入れられています。実際社会での友人関係をインターネットに移行させた便利なコミュニケーションツールとして使われているようです。情報交換、チャットや、友人の写真を眺めたり、コメント書いたり読んだり、また普段の自分の所属するコミュニティ以外の出会いにも使われるようです。ソーシャルネットワークサービスで、FACEBOOKが目指したものは、個人主義がメインだったSNSから、よりリアルな社会である団体主義へのSNSへの転換だったように思います。
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